今回は、イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルの英語名言をお届けしますね。
"Kites rise highest against the wind – not with it." (Winston Churchill)
ヒント:
rise = 上昇する
against~ = ~と反対方向に(ここでは「風に逆らって」という意味)
with~ = ~と同じ方向に(ここでは「風に流されて」という意味)
日本語では・・
「凧は、風に向かっている時に最も高く上がる。風に流されている時ではない」
凧はいつも前から風を受けなくては、高く上がるどころか、浮かんでいることさえできません。
チャーチルの言葉は、こんな訳し方もできますね。
「凧が最も高く上がるのは、向かい風の時であって、追い風の時ではない」
向かい風は進行方向から吹いてくる風で、進行を妨げるもののたとえになります。追い風は進行方向に、後ろから吹いてくる風で、進行を助けるもののたとえになります。
風と言えば、たった今、平昌オリンピックが行われていますが、スキージャンプは風の影響をかなり受けます。そこで、不公平を補正するため、採点にウインド(風)ファクターが導入されていて、向かい風は有利なので減点、追い風は不利なので加点がされます。
素人目には、向かい風は進行を妨げるので不利、追い風は進行を助けるので有利だと思いがちですが、その逆だということです。
風に向かっている時のほうが、揚力によって、凧は高く舞い上がり、ジャンパーは長く空中にとどまって飛距離を伸ばすことができるのです。
風に向かう・・風に逆らう・・風に背を向けない・・。進行を妨げるはずの向かい風によって、むしろ高く舞い上がる・・。人生の障害や逆境もそれと同じだということをチャーチルは言いたかったのですね。
自分の後ろから風が吹いている時、前に進んではいるかもしれませんが、少しでも風の流れが変われば、自分もそちらに流されてしまい、行くべき場所に到達できないかもしれません。
逆風は嬉しく思えないかもしれませんが、それをうまく利用して、より高く上がることができるんですね。そして、ジャンプのように、より遠くまで行くことだってできるのです。
3月末から『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』という映画が上映されますが、チャーチル自身も、ヒトラーを始め、さまざまな「向かい風」から逃げずに立ち向かうことで、力を発揮できました。
あなたには今、どんな向かい風が吹いていますか?
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